ENDLESS DAWN そしてまた朝が来る。
サントリー 天然水
2023年12月31日
鳥は言った。
この世界に、こんなにも美しいものがあっただろうか。
できたのは、数万年以上も前とも
いわれているが。
とにかく途方もない昔から、溶けずに残り、
積み重なり、静かにきらめきつづけている。
言ってみれば「永遠」だ。
雲は言った。
この世界に、こんなにも激しいものがあっただろうか。
冬になると季節風に乗ってやってくる。
それは、いつまでもやむことなく降りつづける。
海は言った。
この世界に、こんなにも速いものがあっただろうか。
風を味方につけて、冬から春へ、夏へ、秋へ、
季節を駆け抜ける。
冬、海から蒸発する「けあらし」と山がセットで見られるのは、
世界でもここくらいのものだ。
谷は言った。
この世界に、こんなにも熱いものがあっただろうか。
おそるべきエネルギーで、
地表をいとも簡単にえぐって
こんな地形をつくりだしてしまう。
誰でもないあいつだけがなせる技だ。
土は言った。
この世界に、こんなにもやさしいものがあっただろうか。
分厚くて、若い花崗岩の間から、
ゆっくりとゆっくりと流れて地下にたどりつき、
およそ20年、静かにその時を待っている。
人は言った。
たぶん、それは奇跡なのかもしれない。
時間を閉じ込め、豊かさを閉じ込め、愛を閉じ込めたそれは、
朝の一滴となって僕たちを満たしてくれる。
それがめぐってきた時間に比べれば、
人間の一生もなんてほんの一瞬だし、
この天然水を飲む瞬間も、本当に、ほんの一瞬。
だからこそ、飲んで、生きている、この瞬間を、忘れないでいよう。
© 2022 上田家